ひつじのブログ

やればできるを、そろそろ自分にわからせたい。

藤山直美主演「団地」(少々ネタバレます)

こんにちは。前から気になってた邦画をやっと観ました!英語学習に気持ちが向いてるので、選ぶ作品が洋画寄りになっていまして、邦画は厳選してたま〜に、な頻度です。洋画は何よりの息抜きだし、リスニングの勉強にもなるし一挙両得。

 

団地

団地

さて、この「団地」ですが、藤山直美が主役で岸辺一徳と夫婦を演じる、シュール過ぎる団地コメディです。
主演の藤山直美が気になって観たんですが、いや〜やっっぱり芸達者。舞台のみならず映画もOKなんですね。すっごいシュールな話なのにちゃんと映画向けの”間”みたいなのを持ってきちんと笑わせる、ほんと希代のコメディエンヌです。あと団地の空気感と団地の住人たちの描写がすごいディティール凝ってるというか、まさに「The・団地」なムービーに仕上がっててるところが見所でした。主婦たちが噂に花を咲かせる井戸端会議、ゴミ出しのルールに細かくてゴミ漁っちゃうおばちゃん、頼りない自治会長(不倫中)、DVの疑いのあるヤンキー亭主に児童虐待・・・といった多種多様な、しかし団地あるあるな、多少デフォルメされてるエピソードが散りばめられてます。
斉藤工が怪しげな日本語の辿々しい青年を演じてて、こういう役ピカイチね!と思った次第です。よく脱ぐ役が多いイメージがあるけど、ちゃんと期待に応えて今回もはだけてました(ただし、なんと観客からは見えないという・・・)。

直美と一徳は半年前に団地に引っ越してきた中高年夫婦ですが、何やら過去がありそうな感じです。漢方薬局を順調に営んでいましたが、事情で店を畳んで転居し、今は直美のレジ打ちパートの収入で生計を立てている様子。夫婦仲が悪い訳でもなく、団地の住人の噂話を聞き流したりしてなんだかんだと生活してるうちに、二人が一人息子をトラックの事故で亡くした過去が明らかになります。息子の生活が現在の夫婦に陰を落としてたわけです。それでも何とか日々を穏やかに過ごそうと努める夫婦ですが、団地の住人やら、漢方薬局店のご贔屓さんだった斉藤工やらが一方的に絡んできて、どんどん話が込み入ってきて・・・という話。最後はシュール過ぎるうえに怒濤の展開ですが、オチもスッコーン!としてて爽やか。面白かったです。

団塊あたりから上の年代は、藤山直美のお父上である藤山寛美をよく引き合いに出しますね。お父ちゃんの跡継いで、二代続けて芸を究めるなんて素晴らしい話です。以前、SWITCHかなんかで藤山直美×香川照之(日本のケヴィン・スペイシーだと勝手に思ってる。小日向文世派がメジャーと知ってるけど)の回を見て、芸事の世界は厳しくてすごいなあと感心しきりだった記憶があります。

知り合いの同級生に有名な世襲制のお家に育った長男がいて、ちょっとだけ絡んだけど、なんか価値観とか世界観が独特でした。結局お家は継がないという決意でほかの方面に進んだみたいだけど、今はあまり名前聞かないな。その界隈でわりと問題になってました。今はどうなってるのか興味もないけど、そのとき、生まれながらに持たざる者も持ちすぎる者も、どっちも何かしら問題は抱えてるんだな〜と子供ながらに感じましたね。普通の人が普通に生きるのが、一番いいのかもしれないけど、一番難しいですね。

 

【本日の一曲】
オワリカラ/団地

団地

団地